レーザー ダイオード
レーザーダイオード(英語: laser diode)とは半導体の再結合発光利用したレーザーのことを指し、半導体レーザーとも呼ばれ、LDと表記されることもあります。 レーザーの色は半導体の構成元素により決まります。常温で動作するものと共振器構造や出力電力によっては冷却が必要なものもあります。 LEDとの違いとしては、大まかにいうとレーザダイオードに関してはレーザ発振の条件をみたしていることです。光の波長や振幅にばらつきが、レーザダイオードの方がより少なくなります。 レーザーダイオードの使用用途レーザーダイオードは小型で消費電力が少なく安価に製造できるため、民生の情報機器で広く用いられています。 CDやDVDやBD等の光学ドライブの光ピックアップ、コピー機やレーザープリンター、光ファイバーを用いた通信機器などに利用されています。また、高出力なものではレーザーマーカーやレーザー加工機などにも応用されています。 他にもレーザー光のもつ拡散しにくく遠距離まで届くという性質を用いて、測量機器や物を指し示すレーザーポインターとしても利用されており、低出力赤色半導体レーザー素子の小型化・低価格化とともに大きく普及しました。 レーザーダイオードの仕様レーザーダイオードの仕様を理解するためにはL/I曲線を利用します。この曲線を用いることで出力される光強度に対して供給される駆動電流を記録しておくことができるようになります。 この曲線はレーザーでの動作点(定格発光出力での駆動電流)及び閾値電流(レーザーの発振開始電流)を決定するために使用されており、特定の電流で高出力を得るのに必要な電流を決定するためにも使用されています。 この曲線図を読むことで光出力は温度に大きく依存しており、温度が上昇するとレーザー特性も低下することが分かるようになっています。このことからL/I曲線を取り入れることでレーザーダイオードの効率を視覚化し、推定することが可能になっています。 レーザーダイオードと発光ダイオードの違い発光ダイオードは位相がバラバラなので放射状に光線が拡散します。対してレーザーダイオードは位相が揃っているため直線的な光線になります。 よって、発光ダイオードでは発光層の面が広いためコア系の小さなファイバに入射するのが難しい特性があります。一方で、レーザーダイオードは発光層が狭いがコア系の小さなファイバには入射しやすいという側面を持ち合わせています。 そして、レーザーダイオードは放出されたすべての光子が別の原子に衝突することで光子を放出するため生成された光はコーヒーレントで光線は単色になります。これに対して発光ダイオードで生成される光はインコーヒーレントで放出される光は様々な色で構成されます。 レーザーダイオードの寿命レーザーダイオードの平均寿命は動作環境(動作温度、静電気、電源でのサージ)によって異なり、一般的には10,000から50,000時間といわれています。 ここでは平均寿命に影響する動作環境要因のうち動作温度について説明します。 まず動作温度の影響では動作温度が10℃上昇すると寿命が半分に減少するといわれており、最大動作温度を超えて上昇が続く場合はレーザーダイオードが損傷したり、長期的なパフォーマンスが低下したりする可能性が大きくなっていくことが分かっています。そして、動作温度における劣化速度は動作温度とともに指数関数的に上昇していきます。 したがって、動作温度による影響を減少し、発光出力を向上させる目的としてヒートシンク(放射板)を使用することが推奨されています。