レーザ発振
レーザの発振原理
(1)基底状態
原子は芯になる原子核と、そのまわりを回る電子から構成されています。レーザ媒質中の原子がもっとも安定した状態のことを基底状態といいます。
(2)励起状態
基底状態にある原子に外部から光などのエネルギーを与えると、電子がいったん外側の軌道に飛び、高いエネルギー状態(励起状態)となります。(図中2)
(3)自然放出
励起状態の原子は不安定なので、自然に元の基底状態に戻ります。その時にエネルギー(光)を放出します。 これを自然放出といいます。(図中3,4)

(4)誘導放出
自然放出された光が、他の励起状態の原子に入射し、自然放出光に刺激されて基底状態に戻ります。この時にエネルギー(光)を放出します。これを誘導放出といいます。
誘導放出光は、入射した自然放出光と同じ方向・波長の強いエネルギー(光)となります。(放出される光の波長はレーザ媒質に含まれる原子の種類により異なります。)
(5)反転分布状態
レーザ媒質に対して強力なエネルギーを供給すると、励起状態の原子数が増え(ポンピング)、基底状態の原子数を上回った状態になります。これを反転分布状態といいます。
この状態で外から同じ周波数の光信号(種)を送ると、誘導放出過程により光増幅が行われます。励起状態の原子が連鎖反応的に同一方向に向けて光を放出し、より強い光が得られるのです。